2010年8月31日を迎えて。

2010年08月31日

 水匠(みしょう) at 19:07 | Comments(4) | 日記



今日は、ちょっと長いお話です。




今日からちょうど7年前。2003年8月31日に水匠はオープンしました。
切りの悪い日にオープンしたもんだな、と今思えば,なぜこの日だったのか理由も見当たらないのですが、当時は、社長と、俺と北村さん、仲居さんも2人しかいないスタートでした。

あれから、長かったような、書いてみれば意外に短い7年がたち今日を迎えることが出来ました。そして、先週日曜日には和僑のグループの方針の発表会が出来ました。

参加していない人もいるので、まず、この日のことについて簡単に説明すると、来年3月、東京・有楽町にヒノマル食堂の5号店目となる有楽町店がオープンするに当たっての決意と発表がありました。

それは、自分達の日々の業務が単なる単調な繰り返しだと言うだけでなく、目標を持った毎日の積み重ねであったからこそできたんだという自負と、その成果がアルバイトの人たちからしたら肌で感じることはなかったかもしれないが、東京・有楽町に繋がったのだという高取会長からの感謝でもありました。

だからこそ、これからも増えるであろう多くの和僑の従業員の未来の為に、一人ひとりが作業にとどまらず、自分自身の志す事として,人に仕える仕事ではなく、自分自身の志をもって志事に取り組んでほしいという願いでもありました。

皆も知ってのとおり、今回のこの有楽町店のオープンに水匠からも酒見君が志願して創業に携わりたいとの希望がありました。11月から酒見君は東京に修業に行きます。これは、会長から依頼があったものではなく、俺が出向を命じたものでもなく、酒見君が今の自分を一回りも二回りも大きな自分になるために、ぜひ行きたいと志願したものであります。

一応、半年から一年くらいかな?と思っていましたが、当の本人は永住も視野に入れているようです。東京に行って一皮むけて、北村さんの後を継ぐもよし、東京で自分の会社を作るもよし。今回の酒見君の、まあ、わがままと言っちゃわがままな願いかも知れんが、初めて自分の人生を自分で切り開く決意に心を打たれ、決定の運びとなりました。北村さんは嬉しいような悲しいような複雑な表情でしたが、義理の息子の男を貫いた我がままなら聞いてやるのも親の務めだと思ったらしく、本人には言ってないようですが好きにしろと言ったそうです。

それに伴い、稔光が花板に立ち、俺は新人と一緒に焼き場に立ちます。とりあえず、日曜日の豆腐は俺が作ることしましたので、ちょうどいい機会だと思って豆腐の勉強を北村さんに弟子入りして学びたいと思っています。

ココ最近は、俺から仲居さんに何かお願いすることもなくなり、仲居さんが皆それぞれに主体性を持って事に取り組んでいただけているようなので、俺としても本当にありがたいことで、ずいぶん頼りっきりにさせてもらっています。

御蔭で、NPOのステップワーカーズや佐賀大学と共同での仕事を出来るようになりましたし、俺がやっているブログやなんかを通じて、多くの事業者の人たちと交流を持てるようにもなりました。

でも、こういう時だからこそ、自分はあくまで料理人であること。初心を忘れないようにしなければならないという思いを抱いていたときに、ヨクヨク考えてみると今日は創業日だなと思ってこんな文章を書いてます。

ちょうど昨日社長と友さんと話をしていた時にこんな会話がありました。水匠でもたまにやるミスなのですが、レジの打ち間違いで、前のお客さんの売り上げにプラスして当のお客さんのお会計をしてしまったらしく、数千円も多く取ってしまったというミスがあったそうです。しかも、そのお客さんは東京のヒノマル食堂のお客さんで、わざわざ佐賀に出張した際に駅前のヒノマルに行ってくれたお客さん。そのお客さんが、和僑のホームページから、そのクレームをしてくれたのです。

うちでもたまにあるミスです。でも、その時自分だったらどうするだろう、うちの仲居さんだったらどういう対処をするだろうと考えていました。当の社長は、そのクレームをメールで受け取って、そのお客さんの所まで(実は岐阜県のお客さんだったのですが)、新幹線で菓子折を持って謝りに行ってきたと言ってました。

以前、うちでも、お客さんの靴を間違えて渡したせいでお客さんの靴がなくなり、その女性が怒り対応の悪さにキレて俺に出てこいと言うことがありました。もう、4年くらい前の話です。週末、土曜日の昼間に上峰サティーまで謝りに行ったのを今でも覚えています。

その時に、初動対応っていう物の大切さを考えした。今では仲居さんに俺が出て行くべきか仲居さんのほうで対応するのか聞きますが、正直、その境目は未だに分りません。


すべてのお客さんへの不手際に対して、すべて俺が出て行くということが正しいとは思わないけれど、何にしろ、自分がお客さんだったらどうか、という判断をするのは簡単ではないと思うので、常に自分の意見ではなく初心に帰って考える事が大事なんだなと、俺も気を引き締めて行かなきゃいかんなと思わせられる話でした。

ちょっと話がそれてしまったけれど、これからの水匠の方向性について最近、つくづく考える機会が多くなりました。それに伴い、自分自身の人としてのあり方をも考えさせられることが多くなりました。

豆腐のスウィーツの店にしても、豆腐のハンバーグの店にしても、和僑のことにしても、みんなが志を持って働いてくれているのを、当然のこととしてではなく、感謝ができるようになって初めて道が開けるような気がしています。

してもらって当たり前だと感じるようになったら、傲慢になってしまうので、特に俺のような人間は、口が災いのもとになりやすいので、自分の価値観だけで物事を判断することがないようにしていかなけりゃいけないなと感じました。

我を通す事や自分の世界観を持つことを理解してもらうためには、より多くの人に協力してもらえる様に自分が変わらなければいけないんだなと言うのを、酒見君の姿や社長の姿を通して再度勉強できたような気がします。

特に男は女性よりも、仕事にロマンを求めやすい生き物です。そして、俺のような理屈が先にある様な人間に取っては特に夢や希望は欠かせないものです。

多分、酒見君が出発するころにはまた、状況も変わっている事かも知れません。NPOや佐賀大学との事は、いずれ、プレスリリースで新聞にも載ると思いますので、何故、俺がそんなことをしようと思ったのかについてはお話ししたいと思っています。

自分の夢や希望を自分だけのものではなく、みんなの希望にしていけるような努力と言う物がこれからの自分には必要なのかなという気がしています。

あまり、社長であるということをお題目のようにして振舞うのがワザとらしくて嫌だったけれど、そろそろ自分の立場を自覚していかなけりゃならないなと思っています。


皆それぞれに、自分は何のためにこんな面倒な仕事をしているんだろう、と自問自答することがあると思います。何かの縁で、この店に来て、何かの縁で一緒に仕事をしているのも、なんだかんだ言いながら皆がいまだにココに居て頑張っているのも俺にとっては何かの定めなのでしょう。

勿論俺もそれは同じで、自分は何のために、何の為なら死ねるのかと思うことがありました。今でこそ、自分の使命と言うものを自覚できるようになったのだろうけど、まだまだそれもこれから自分の成長と共に視野が広がっていければいいかなと思ってもいますし、まだまだ若造の俺には見えないもっと大きな世界が世の中には広がっているのだろうと思います。

その前に、身につけなければいけない徳の部分。
大日本帝国海軍総司令官だった山本五十六がこんな言葉を残しています。



やってみせ 言って聞かせて やらせてみて

ほめてやらねば人は動かじ


話し合い、耳を傾け、承認し、

任せてやらねば、人は育たず


やっている、姿を感謝で見守って、

信頼せねば、人は実らず




多くの同胞、同じ兄弟日本人の為に、小さな枠にとらわれず、大局をなす事を思えば
まだまだ、道のりはながいなあ。と思う、水匠7周年の今日このごろです。
                   ゆうじ


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この記事へのコメント
水匠さん
 おはようございます
  
  私はあなたの生き方考え方に

 同感です素晴らしいとおもいます

 ・・・いろんな経験はかならずや

 後日役に立つものとおまいます。

 たゆまずに努力ください!

 期待しています。


           汽笛一声
Posted by 汽笛一声汽笛一声 at 2010年09月01日 02:06
汽笛さん、こんばんは。

これからも、悩み続けて、前向きに進みたいとおもっています。

応援、ありがとうございました。
Posted by 水匠(みしょう)水匠(みしょう) at 2010年09月01日 02:29
お久しぶりです!

最後の山本五十六の言葉にドキッとしました。

時々、親父が言う言葉と重なったもので・・・

色々な団体に足を突っ込み、先輩後輩ができ、次の世代に譲る時、
人を育てる難しさを実感しています。

この言葉を覚えておきたいと思います。

ありがとうございます!
Posted by 店長おーた at 2010年09月02日 22:28
>おーたさん

お疲れ様です。

お茶もひと段落出来ましたか?

こうも暑い日が続くと、外の仕事は大変ですよね。

やるしかないです。

秋になったら、またよろしくお願いします。
Posted by 水匠(みしょう)水匠(みしょう) at 2010年09月03日 20:38
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