何の為に、誰の為に料理をするのか

2010年06月22日

 水匠(みしょう) at 21:26 | Comments(0) | ワイン




先日、ツイッターでこんな話がありました。




ピカソの6番目の女、ジロー。
彼女は2人も彼の子供を産みながら、
自らピカソとの別離を選んだ女性。

他の女たちが別離後に精神を病んだり自殺を選ぶ中、
ジローは88才の今もなお画家として政策活動を続けている。

でも、ピカソもジローも平穏なる日々よりも精神的に追い詰められたり、
激情の時期に名作を生み出している。

画家の作品は、魂や心の叫びが描かせるものなのか。
では、料理を生む原動力は?食べ手への愛だろうか。



というもの。
 
料理の世界に入って14年。
ふとこの文章を見たときに、
今、自分は誰の為に料理をしているのかを考えて見た。


そして、一つの結論をその問いかけをした人に応えてみました。


それが理想でしょうけど、なかなかそんな綺麗な理由ばかりじゃないと思います。
オーナーシェフはプレッシャーで追い詰められたりもしますから。
料理を芸術の域まで高められる人は、
過去にそれなりの修羅場は見ているはずですし。
単に、負けられねぇって気持ちもあるはず。

そんなときに、支えてくれた生産者や周りのみんな、
その人達への感謝が良い料理を産むんだと思います。
そういう現実を知ってるからこそ、純粋にお客さんの喜ぶ顔を見たいと言う
想いだけで料理が出来る人は、素晴らしい。今の俺には無理ですね。

俺は、作り手や育て親の想いを背負って料理するのがスタイルです。




と。



誰の為に料理をするのかと言うことに正解などありません。
しかし、一つだけ言えるのは僕が目指しているのは、美味しい料理ではなく
生涯の記憶に残る料理。



人は生涯に何度の食事をするのでしょう。 
人生80年。つまり80,000回以上。
でも、そのうち何度の食事を覚えているでしょうか?
 

 
残念ながら、今の僕に一流の技術はありません。
寿司も握れなきゃ、フグもすっぽんも捌けません。
ましてや、茶懐石など食べた事さえありません。

 
僕の料理の師匠は、漫画の味いちもんめと旭屋出版の料理本。
 
 
しかし、そんな僕でさえ、曲がりなりにも努力を重ね
いろんな人と知り合い、出会い、みな常に努力を重ねている事を知りました。
 
 
この道40年のベテランでさえ、やっと少し料理のことが分かってきたと仰います。
当店の62歳の豆腐職人は未だに自分の腕のなさに悲しさを覚えます。



そんな姿を見て、少しだけ勇気づけられる時があります。



あ、この人たちでさえ、技術は未熟だと思ってるんだ。
じゃあ、俺は未熟でも当然。
堂々と自分の料理を作ろう。
でも、常に妥協せず、努力を重ねて美味しいものを提供し続けよう。



と。




そんなことを想っていた今日。さっき。
1葉の葉書が届きました。
何の為に、誰の為に料理をするのか

腕は2流でも、心意気は1流でありたいと改めて思う今日この頃です。




所で最近ワインを飲み始めました。
僕を知ってる人は驚きでしょうが、とうとう自分に合う酒を見つけましたよ。
それがワインでした。

うちの先生のアドバイスもあるので
飲んだワインをこうやって記録に残して見たいと思っています。




何の為に、誰の為に料理をするのか

ドメーヌ  カシャ・オキダン

ブルゴーニュ・ブラン 2008

ブドウはシャルドネ100%


口に入れた瞬間
柑橘系の酸味が口の中に広がる。
でも、ストレートに香りが来ない。
味は直球なんだけど、香りが変化球であとから遅れてくる。

ピリピリとする後味、意外に香りが後を引く。

クリームチーズが食べたくなるようなワインでした。



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