和食と香辛料の意外な関係  前篇

2010年06月05日

 水匠(みしょう) at 18:04 | Comments(0) | 料理全般のハナシ

先日の記事を読んだ感想を、
南仏ニースで日本料理店を経営されている長井さんが送ってくれました。
そのなかで、とても印象深いことが書かれていたので紹介します。
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川崎さん

どーも、お疲れ様です!
   
川崎さんのブログ読んで、メゾンドブリクールに行った時のことを思い出しました。
ご飯食べて帰り際、お店の人がどうだった?って話しかけてきたから、
正直な感想を言ったのね。

 「素材美味しいのに、なんでわざわざスパイス使うの?」って、

そしたら、記事に書いてあるような、カンカールの歴史とか、
建物がもともと香辛料を扱う商人の館だったからとか、地元の人々にとって
慣れ親しんだ、食材の恵みと香辛料をうまく合わせて
地元の人々の口に合う料理をつくってるんだよって。

話の途中で、ロランジェ本人って気がついたんだけど(汗)

こんな不勉強な僕のために2,30分もかけて
彼の料理哲学を話してくれました。忙しいのにね。

やわらかい物腰だったけど、料理に対してはかなり熱い人でした。
僕は、星付きってことでガストロノミーっていう、ある意味色眼鏡で彼の料理を
見ていたのだけれど、彼がしてきたことはそんなものではなかったんだなと。       ・
       


       ・
       ・
       ・

素敵な記事をありがとうございます。


                               ニース
                                 長井


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

僕も常々思っていたことです。


これだけ流通革命によって輸送ルートが作られ、それこそ海外の食材が次の日に我々の食卓で出すことが出来るようになった今、香辛料がなぜ必要なのか?

特に、当店は和食屋ではなく豆冨料理屋です。
ただでさえ繊細である意味完成された食材である豆腐を主軸に使うに当たって
なぜ、遠回りとも思える香辛料が必要なのか?
それはある意味、食材に対する冒涜じゃないのか?と・・・・

豆冨を使った料理は数多くあれど、それは別に豆腐じゃなくとも成立している料理が正直ほとんどです。

ま、無理やり豆腐料理に見せかけているけれど
本来、豆冨料理とは豆腐じゃなければ成り立たない
料理にしか使っちゃいけないものないんじゃないか?

とすると、香辛料は不要だ!!



と。
ここで、同じ和食の職人さんで僕の好きなブログを御紹介します。
粋な名前のブログです


てまえ、板前、男前           香辛料と和食【暑い】関係


また、灯台もと暗しってことで、当店には、豆冨料理屋ですがフランス料理を40年、やってこられたシェフがいらっしゃいます。高取料理学校や鹿島実業高校で西洋料理の教師をされていた経験もあり、中東カタールのホテルに勤務していたこともあるベテランです。そのシェフに教えていただいたことや僕自身のこれまでの知識を踏まえて、また、今回様々な文献を調べた中で今考えている香辛料についての考え方をまとめてみたいと思います。

あくまで、和食の世界でこれから香辛料とどう付き合っていくかを
主軸としていますので、若干偏っているのはご了承ください。


香辛料を使った料理と言うとまず思い出すのが西洋料理でしょう。先ほどのリンク先にも書いてありますが、本来西洋料理は足し算の料理で、何か臭みのある食材があったとしても臭みを抜くことより、ある意味手っ取り早く何かで香り付けしてごまかしてしまおうっていう理由で利用されていたのがはじまりです。だから、欠点を補うための香辛料という捕らえられ方が大半でした。そのため、日本人にもそういう考え方が既知としてあるのだと思います。

しかし、その一方でこういう考え方もあります。漢方の考え方です。中国料理は医食同源。我々日本人になじみのある料理もたくさんありますが、その根本は料理をすることで体内の基礎代謝を図り、単に栄養をとるだけおなかを満たすためではなく、よりよい身体づくりをしていくという考え方です。

そしてわが国日本。
和食と洋食の、根本の考え方が違うということもあります。
 
料理が引き算で構成されるということです。素材のうま味(第6の味覚とも呼ばれ、西洋人は正直あまり感じていないような・・・・)を引き出す為に様々な技法を用いて、華美な味付けをせずシンプルにまとめ上げる料理が和食の神髄です。

そのため香辛料はあまりないと思われていますが、我が国にも香辛料は意外とあります。ワサビ・トウガラシ・山椒・生姜・蓼・芥子の実・茗荷などです。いわゆる、乾燥状態のスパイスではなく、ここでもやはりフレッシュな薬味と認知されているものが大半です。

さて、ここでふと疑問がわきます。
香辛料・調味料・薬味
この違いはなんでしょうか?
境界線はどこで引けばいいのでしょうか?




・・・・・・ちょっと長くなるので、次回へ続く・・・・・

 










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